オフィスで複合機を導入するときは、新品の購入だけでなく、リースにしたり中古複合機を買ったりする方法も考えられます。
いずれにせよ、初めての導入で多くの人が疑問に思うのが、保守契約とは何かという点です。
業務用の複合機は保守契約がほぼ必須となっていますが、それはなぜなのでしょうか。
保守契約には
- カウンター保守契約
- キットトナー保守契約
- 年間保守契約
- スポット保守契約
の4種類があります。
ここでは、保守契約の必要性と、契約ごとの内容について解説していきます。
目次
1.保守契約は何のためにある?
保守契約とは、複合機の定期点検や修理、部品交換等をしてもらえるサービスです。複合機を購入したと同時に、メーカーと契約を結ぶのが一般的です。保守契約の内容によるものの、基本的には修理費用が無料で、修理を依頼した場合には迅速な対応が受けられます。
なぜ複合機には保守契約がセットのように考えられているのかというと、使用頻度が高い機械だけに故障頻度も高く、修理の回数が多いためです。
それから、家電製品のように1年保証や5年保証などが付いているわけではなく、新品であっても無保証です。故障した場合やメンテナンスを受けたい場合などは、その都度実費で払う必要があります。精密機械のため、修理費用やメンテナンス費用は安くありません。
作業費や出張費、部品代などを合わせて修理費用を請求された場合、10万円を上回ることも珍しくないです。100万円を超すのが一般的な複合機ですから、大きな部品であれば、5万円の値段が付いていてもおかしくはないでしょう。
ですから、修理費用は企業にとって大きな出費となります。さらに、壊れたときにすぐ来てくれる修理専門業者もほとんどいません。企業に余計なコストをかけさせないための対策が、保守契約なのです。これは中古複合機においても然り。むしろ故障頻度の高くなる中古こそ必要と言えます。
2.カウンター保守契約とキットトナー保守契約の違いは?
保守契約の一つであるカウンター保守契約は、基本料金と印刷した枚数分の料金を合わせた額を月額利用料金として支払う契約です。修理代やメンテナンス代、トナー代はかかりません。
料金は複合機ごとの印刷一枚当たりにかかる単価によって変わります。この印刷単価は契約時に決まり、途中で変わることはありません。販売店によって印刷単価が違うので、保守費用を抑えるには販売店選びも重要なポイントとなります。
契約満了後は自動更新されますが、解約はいつでも可能です。しかし、再契約できないので注意してください。
そして、トナー料金を払う保守契約がキットトナー保守契約です。一定枚数分のトナーを購入して使うシステムで、修理代やメンテナンス代はかかりません。
キットトナーが余っていても契約を解約した翌日からサービス対象外になるのが一般的ですが、トナーがある間はサービスを受けられる場合もあります。
カウンター保守契約は毎月1000枚以上印刷する企業に向き、キットトナー保守契約は印刷枚数がまばらだったり、一定期間複合機の使用がないと思われたりする企業に向いています。また、キットトナー保守契約のみ対応の機種を用意しているメーカーも珍しくないです。
3.年間保守契約とスポット保守契約の契約内容とは
カウンター保守契約とキットトナー保守契約が一般的なものの、年間保守契約やスポット保守契約もあります。年間保守契約は、キャノンオリジナルのものです。
複合機には保証が付かないのが一般的ですが、この契約に対応している機種には1年保証が付いています。この1年保証が、年間保守契約に当たります。ですから、中古複合機の場合は利用できない保守契約です。
なお、契約している間は一定額の保守料金で修理をしてもらうことが可能です。1年過ぎると自動解約となり、申請すれば最大5年間更新することもできます。トナーは有料ですが、純正品のみならず市販品にも対応してくれます。
また、スポット保守契約とは、その都度保守に来てもらうシステムです。こちらの契約であれば中古複合機でも利用できます。スポット保守には、メーカーによるサービスと、提携保守会社によるサービスがあります。
その都度修理代や出張代、部品代等がかかり出費が大きくなるので、スポット保守を使う企業はほとんどありません。しかし、メーカーや保守会社の対象外地域で保守契約に加入できない企業や、販売店で加入できなかった場合、メーカー非対応の機種である場合など、スポット保守しか選択肢がないこともあります。
4.まとめ
中古の複合機を購入した場合の保守契約は、カウンター保守契約かキットトナー保守契約がベストな選択となります。毎月の印刷数が多い企業は前者で、印刷数が少ない企業は後者が適当です。
ただし、発売日から長い期間が経った機種は、メーカーと保守契約を結べない可能性もあります。また、機種によって結べる契約が決まっていることも珍しくありません。中古で購入する場合は、保守に関してもしっかりと調べてから決めると安心です。